2024年問題の影響を工夫で解決(建築業)

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2024年問題の影響を工夫で解決(建築業)

コラム

2024/06/07 2024年問題の影響を工夫で解決(建築業)

皆さまこんにちは。HAYASHIDACS総研の柿原まゆみです。
毎年6月になりますと建設業の安全大会のご用命頂いております。
今年のテーマは『2024年問題』と『働き方改革』をテーマに
講演をしてほしいとのご依頼でした。

安全大会の時期であることから
建設業の2024年問題の課題解決のヒント』をお伝えします。


日経新聞の記事よると“イオンが「イオンモール」の
国内出店を取りやめる。予定していた案件を2025年度以降に
先送りし、24年度の新規開業は26年ぶりにゼロとなる見通し。
建設業界の人手が不足し、資材も高騰するなか、
採算がとれないと判断した”と記載されていました。
出典:202466日日経新聞


この記事から建設業だけの問題ではなく、
大きな社会問題に発展していくと考えられます。

働き方改革の5年間の猶予期間が終了し、
202441日から適用された
「働き方改革関連法」によって
引き起こされると考えられる問題です。

この法律により、建設業界に携わる方々は
さまざまな課題に直面されています。

2024年問題の業界における影響については以下の通りです。

①人手不足問題が深刻化し、人件費が増大する見込み

罰則付きの時間外労働の上限規制により、
従業員の残業時間が減少し、人手不足問題がさらに
深刻化する可能性があります。

中小企業割増賃金率が、月60時間を超える
時間外労働に対する割増率が
25%から50%に引き上げられました。

 

②罰則付きの時間外労働の上限規制や
中小企業割増賃金率の引き上げが適用される
中小企業割増賃金率の引き上げにより、
残業代支払いが増加し、企業の負担が増大

深夜割増賃金率25+時間外割増賃金率50%=75%(22時~5時)
これらの問題から深刻な影響を受けます。

人手不足対策

●長時間労働是正

●効率的な生産性向上

2024年問題に対応のヒントとして下記にまとめました。

●人手不足対策

2030年には労働人口の減少が進み労働人口が
644万人不足することが予測されています。
少子化が進み、体力、気力のある若手の男性を
雇用することはどの業界でも困難です。


人材不足を補うために『働くシニアを増やす』、
『働く女性を増やす』、『働く外国人を増やす』
です。この方たちから選ばれるように環境整備が必要です。

1.空調設備を整える

適切な温度と湿度を維持し、快適な作業環境を提供

  • 2.ニオイ対策をする

換気システムや空気清浄機を活用して不快なニオイを軽減。

  • 3.作業道具を見直す
    作業しやすい道具を導入し、体に負担のかからない環境を整える

4.作業方法を改善する

アナログな方法からデジタル化への
移行を進め、業務効率を向上させる

  • 5.個人に合った働き方を選べるようにする
    フレックスタイム制度や育児・介護休暇など、
    ワークライフバランスを考慮した働き方を導入

人材確保に成功した事例を紹介します。

大阪にある水産物加工の会社はワークライフバランスを
考慮した働き方を導入したことで
人材不足を解消し、生産性を上げています。

働きたいときに働き、休みたいときに休む仕組みが
この会社にはあります。

一般的には家族や本人が体調を崩したり、急な用事が入り仕事に行けない時は
まずは電話をして『〇〇なので休ましてほしい』と連絡。
企業側は急に休まれては困ると回答し、
中には休みが取れずに出社することは少なくないです。

この会社は従業員の方は休みたいときに
急であっても休みことができます。
そして、休む連絡を入れると『休みの連絡は
いらないからこれからはしないように』と
注意を受けるそうです。


この融通が利く仕組みが働く方にとって
働きやすく、従業員の紹介で
高額の求人を出さなくても人員が
確保できているとのことです。
製造業だからできるのだと諦めず建設業でも
工夫をすれば女性やシニアの確保はできるのではないでしょうか。

次回は長時間労働の是正のヒントについてお伝えします。

 

 

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